365 Portland

ポートランドらしさを感じるブルワリー。

IMG_6646今や最もポートランド的存在、応援したくなるBaerlic Brewing。

きょうは久々にポートランドのビールの話を。

今年のオレゴン・ビール賞(Oregon Beer Award)では私のガイドブックでも取り上げたBaerlic Brewing Co.(ベアリック・ブルーイング)がベスト・ブルワリー少量生産部門で見事ゴールドメダルを獲得した。私はこの快挙をとっても喜ばしいと思っている。なぜならBaerlicはとってもポートランド的ブルワリーだからだ。

トップ写真はBaerlic Brewery & Taproomの窓を外から撮ったもの。中に見える木材のラインは天井。古いビルの天井板をメリメリ剥がした無骨なラフさもこのブルワリーに似合っている。

タップルーム内のギャザリング・テーブル。この旗のグラフィック、いいでしょう? ビール飲みたくなるよね。こんなミーティングルームがあったら一日中会議しててもいいなー。

タップルーム内のギャザリング・テーブル。この旗の壁画、いいでしょう? ビール飲みたくなるよね。こんなミーティングルームがあったら一日中会議しててもいいなー。

オレゴン・ビール賞は毎年二月頃に開催されるビールのプロが選ぶコンテスト。オレゴン中のブルワリーが自慢のビールを引っ下げて集結し、それぞれの部門で最も美味しいと思われるビールを選び合うとても価値ある賞なのだ。
ポートランドには今や様々なビールのイベントがあるけれど、私はこのイベントが一番いいと思う。それぞれのブルワリーのロゴの入ったウェアを来たブルワー達がグラス片手に互いの検討を讃え合っている姿は感動的。この日ばかりはリラックスして、みんなで一緒にビールを飲みまくる。

ンテリアは結構ハード目のインダストリアルなのに、水色が効いていて洒落感がある。うまいよね

インテリアはインダストリアル。ブルーが効いていて洒落感もある。うまいよね

Baerlicは2014年にスタートしたマイクロ・ブルワリーだ。と言っても商業生産する前もアマチュアのビール・コンテストで何度も受賞していて、知る人ぞ知るビール・メーカーだった。
友達同士のベンとリチャードはビール好きが高じて自宅のベースメント(※)で独自のビールを生み出すべく研究し、自信作を携えて様々なコンテストにチャレンジしていた。そのビールの美味しさが評判になり、満を持して3年前にベアリックを立ち上げたという。(※アメリカの住宅にはたいてい地下室があり、部屋として使うだけでなく洗濯室やアトリエにすることも多い)

オーナーの一人ベン。タップから注いだ新鮮なビールを持ち帰れる缶詰システムの説明を聞いている。

オーナーの一人ベン(左)。タップから注いだ新鮮なビールを持ち帰れる缶詰システムの説明を聞いている。

脚のタトゥーは何だかよく分からなかった。ドラゴンかな?

脚のタトゥーは何だかよく分からなかった。ドラゴンかな?

Baerlicのフラッグシップはブラウン・エール。華やかなアロマ感というより、やや苦みのしっかりした味わいのあるコクのあるエールビールだ。どちらかと言うと男性的なビールってことになるかもしれない。とは言え、今はいろいろなカテゴリに挑戦していてバリエーションも十分。

常時12種類の様々なビールが楽しめる。

常時12種類の様々なビールが楽しめる。

ベルジャン・ブロンド・エール「Delight」。このグラスほしいな。

ベルジャン・ブロンド・エール「Delight」。このグラスほしいな。

Baerlicがとてもポートランド的なブルワリーだという理由は、若者が地下室で始めたこともあるけれけど、原材料や醸造に必要な道具も含めて当初から可能な限り自分達のコミュニティやローカルで調達していること。そして人気が出ても相変わらずマイクロ・ブルワリーであり続けていることも大切だと思う。

スタッフのミーティングは醸造室内で行われている模様。このカジュアル感、いかにもポートランド!

スタッフのミーティングは醸造室内で行われている模様。このカジュアル感、いかにもポートランド!

そして今回あらためて知ったのだけど、彼らはレストランやバーにビールを供給するのも自分達で行っているそうだ。車にタンクを積んで街を走り回り、愛情込めて一生懸命に造ったビールを自分達の手で積み降ろしして供給先に手渡しする。出来る限り From seed to glass に近いやり方ができるのもマイクロ・ブルワリーならではと言えるけど、それでも全てをスタッフだけでやるのは大変だと思う。でも、そうしたビールに関わる一つひとつのプロセスを楽しんでいる感じが伝わってくるのがいい。

3歳になったよとポスターが貼ってあった。

3歳になったよとポスターが貼ってあった。こうしたグラフィックもハンドクラフト感があるのがいいよね。

Baerlicは何故にポートランド的かーーー

1)若者が地下室で始め、小規模で楽しくビールを造り続けている。

2)原材料や必要なものすべてをローカル・コミュニティで調達している。

3)すべてのプロセスを自分達の手で行っている。

簡単に言うとこんな感じだろうか。一昔前はポートランドにはこうしたブルワリーは結構あった。でも、ご存知のように市内だけでも70以上のブルワリーのある激戦区。今や有名なブルワリーも突然閉店してしまう厳しい状況がある(賞の常連でもあったCommons Brewery、80年代から続いてきたTugboat Brewing、この秋、共に看板を下ろした)。

お持ち帰り用のビール。これはあらかじめ瓶詰めされている物。

お持ち帰り用のビール。これはあらかじめ瓶詰めされている物。今後、タップから直詰めできるようになるかも。

だから、ビールファンとしては本当に応援したくなる。「Baerlic、これからもがんばって美味しいビール造ってよ。私たちも飲みに行くから!」と。ちなみにBaerlicとは英語の古語で、大麦のことを意味するらしい。

皆さんもポートランドに来たら、ぜひBaerlicでビールを飲んでみてください。素のポートランド・ローカル、そのたまらなく魅力的な雰囲気を実感できると思うから。

醸造所内の壁面に大書きされているスローガン(?)「Stay fresh, Keep cool」

醸造所内の壁面にどーんと大書きされているスローガン(?)「Stay fresh, Keep cool」

13 comments for “ポートランドらしさを感じるブルワリー。

  1. atuko
    12/20/2017 at 21:19

    初めましてこんばんは。実は来年早々にポートランドに旅行に行きます(一人です!!)一人で海外なんて行ったことないのですが・・けど何とかなるかと楽しみにしています。色々お伺いしたい事はあるのですが、1月13日(土)はもうファーマーズマーケットとやらはしていますか?年始早々だしまだやっていないのでしょうか?もしご存知でしたら教えてください。このコメント欄にこんな質問してよいのかどうか・・失礼でしたら申し訳ないです。

    • 百木
      百木
      12/20/2017 at 21:59

      atukoさん、初めての海外旅行がポートランドなんて素敵ですね! ポートランドは人がいいし、街がコンパクトなので回りやすいですよ。公共交通機関も発達していて、バスだけでなく路面電車や、MAXというライトレールもあります(泊まる場所にもよりますが、空港からはこのMAXが便利です)。

      さて、ファーマーズ・マーケットですが、一番メインのポートランド州立大学(PSU)キャンパス(といっても街の中の公園区画)では通年やってますので、ご心配なく。
      http://www.portlandfarmersmarket.org/

      ただ、いつもお話してるのですが、冬はポートランドは雨期になります。ですから防寒&雨対策はしっかりと。フード付きのジャケットがあると便利です。ポートランダーは慣れたもので、雨が降っても傘もささず屋外のイベントを楽しみます。温かいコーヒーがすごく美味しく感じるし、ミスティな街の表情もなかなか味わいがありますよ。

      失礼なんてとんでもない。ぜひ、楽しい旅をなさってください。ポートランドのことを気に入ってくださるといいなーと願ってます!

  2. atuko
    12/21/2017 at 21:25

    お返事ありがとうございます!!防寒&雨対策、了解しました!百木さんの本とこの365日~を熟読して
    いろんなところを回れたらなと思っています。本当にありがとうございました!

  3. しゅう
    01/13/2018 at 08:11

    はじめまして。いつも楽しく見させてもらっています。
    来月ポートランドに行くのですが、いくつか質問させて下さい。

    2月に2週間ほど、ポートランドジャズフェスティバルというものが開催されると何かで読んだのですが、今年もあるのでしょうか。
    検索してもなかなかヒットせず、開催日時と場所、内容を知りたいのですが、もしご存知でしたら教えていただけますと幸いです。

    また、ポートランドには丸3日間滞在する予定です。食事やお買い物メインで楽しむ予定ですが、3日もあると退屈してしまいますでしょうか。
    少し遠出して行くことができる、この季節におすすめの場所がありましたら教えていただけますでしょうか。

    色々厚かましくお聞きして申し訳ありません。
    お返事いただけますと嬉しいです。

    • 百木
      百木
      05/01/2018 at 21:00

      しゅうさん
      はじめまして。365Portlandブログの百木です。
      1月にコメントを頂いていたのですね。実は、本日(5/1!)そのお知らせメールが届きましてとても驚いた次第です。
      私事ですが、一昨年夏より体調を崩し更新もままならない状態で細々とやっておりましたが、
      コメントには必ずお返事をしているつもりでしたのに本当に申し訳ありません。
      ワードプレスというソフトを使用しており、これまでそのような不備はなかったのですが。

      その後、ポートランドにはいらっしゃいましたか? 
      冬は雨がちなのが残念ですが、いいご旅行だったことを願わずにはいられません。
      ひと言お詫びと、ご挨拶を申し上げたくてメールいたしました。
      上記のような事情でまた更新が滞っておりますが、
      しゅうさんがポートランドを気に入ってくださったらとてもうれしく思います。
      コメント頂きましたこと、心より御礼申し上げます。
      百木

  4. conomi
    05/11/2018 at 09:48

    百木さん、こんにちは
    ときどき365Portland をのぞいています。
    今日もそうでした。そして、ふと、「そうだ!もしかしたらコメント」と思ってコメント欄を見たら、「ビンゴ!」。5月1日の百木さんに出会いました。

    今日、東京はひさしぶりにいいお天気です。そして金曜日^ ^最高の気分です。

    先月「はけのおいしい朝市」へ行きました。そこに出店していた「高尾ビール」さん、クラフトビールでとてもおいしかったんです。そこの朝市は、武蔵野公園の中のクジラやま付近で開催されているんですけど、規模もちょうどよく、みんな芝生に座って食べたり、しゃべったり、遊んだりと、まるでポートランドのよう雰囲気でした。

    わたしはこの夏南インド「アーユルヴェーダの旅」に行きます。ともだち、ともだちのともだちでつながったメンバーとインド人のともだちがガイド役で一緒に行きます。

    そんな風に集まった人たちとわいわいがやがやポートランドへ行って、流木小屋作ったり、クラフトビールを飲むのがわたしの夢です。

    では、また!

    • 百木
      百木
      05/13/2018 at 22:33

      conomiさん
      コメントをとてもうれしく読みました。ずっと更新できなくてごめんなさい!私はいまだ療養を続けています。世の中的にはなかなか大変な疾患で・・・でも「病気と闘う」的な考えはあまり好きではないので、自分なりのやり方とペースで生活しています。
      ポートランドの最新情報をアップできないのがつらいところですが、conomiさんが言われる通り「みんなで流木の小屋を建てたり、のんびりクラフトビールを飲んで」、それはまさに私の夢でもあり、その日を楽しみに日々前向きに過ごしています。

      実は7月に私の本のアップデート版が出ることになりました。ポートランドはこの2年で随分変わってしまい、既になくなったスポットも少なくありません。在住の友人にも協力してもらって進めていますが、本当は全部書き換えたいくらいの感じです。一方で、ポートランドらしさが徐々に失われて行くのは寂しい限りで、気を揉みますね・・・。

      conomiさん、時々覗きにきてくださっているとのこと、本当にありがとう。期待に応えられなくて心苦しいですが、必ず復帰しますので、その時は一緒に乾杯してくださったらうれしいです。
      この夏のアーユルヴェーダの旅が素敵な経験になりますよう、是非またそのお話も聞かせてくださいね。

  5. conomi
    05/15/2018 at 22:07

    百木さん

    7月楽しみにしています!
    また、アップデートされた百木さんガイドブック片手に旅に出たいです^ ^

    そして、復帰乾杯ビールをめちゃくちゃ楽しみにしています!

    conomi

  6. kajirin
    05/16/2018 at 07:26

    おひさしぶりです。最近記事がupされてないなーと思いながらもちょくちょく覗かせていただいてましtいただいてました。百木さんに初めてのポートランド旅行の時に質問メールさせて頂いたのはたしか4年前。。いや、もっと前かな?笑 その旅のご縁でシアトルに友達ができ、長期シアトルに滞在しており
    今週末、思い切ってポートランドに週末旅行をする(予定)です。まだ宿はとってませんが。。笑
    百木さんのコメントではポートランドも結構変わってきちゃってるようで、、あの感じが大好きだったので少し不安ですが楽しみでもあります。もし、可能であれば最近の話題のスポットがあれば教えて頂きたく。

    日本もそうみたいですがこちらも気温差が続くので体調等、ご自愛ください。

    • 百木
      百木
      05/17/2018 at 09:51

      kajirinさん、豪沙汰ですみません!ブログをのぞいて、全然upされてないって盛り下がりますよね。ごめんなさい。
      週末、行かれるのですか? 宿は、いまはAirB&Bがたくさんあるので直前でも困らないでしょう。

      確かにポートランドの街はどんどん変わります。私のガイドブックでも閉店したところが何店もありますし。一方、昔ながらのスポットが消えて行くのはやっぱり残念ですね。今のポートランドらしさっていうのは、そういう所が作ってきたので。これからどうなっていくんだろうと、不安ですが、ポートランドらしさにこだわる人々はずっとこの街を愛し、守っていくだろうと期待しています。

      個人的に街の最新情報を載せにくい状況なのですが、夏なのでアウトドア系の情報をお伝えするのもありかなと思ってます。そっち系の情報は日本では割と手薄なので。のんびりと更新していきますので、どうか長い目で見てやって頂ければ。
      コメント、ありがとうございました。

      • kajirin
        05/18/2018 at 06:32

        百木さん
        返信ありがとうございました!無事宿はとれました。でも数日前のせいか選択肢が狭いので逆にすんなに決まった感が。。。最初に初めてAirbnbチャレンジした時が懐かしい。笑
        ポートランド、急遽決めたので無理はせず今回は食べ&飲み歩きにフォーカスします。笑
        私は勝手にポートランドは日本の高円寺的なにおいを感じていたのですが最近では高円寺も個性が無くなってきた感じで、、、、やっぱり時代の流れはどこでもあるんでしょうね。

        友達がアウトドア(キャンプ等)大好き人間なのでポートランドのそういう情報も有ったら嬉しいかもしれません。 では今後もちょくちょく覗かせて頂きますねー 
        ではではー 

        • 百木
          百木
          05/18/2018 at 22:13

          kajirinさん、宿が取れて良かったです!ポートランドも人気都市の仲間入りをしてからというもの、夏場はほんと混んでますよねー。
          それにしても「ポートランド=高円寺」説とは初めて聞きましたけど、面白いですね!

          アウトドア関係、実は考えてます。街の最新情報がなかなかアップデートできないので、キャンプ場の探し方・予約の取り方とか、実用情報も載せようかと。ずっと本の方の最新版にかかりきりだったのですが、そろそろ先が見えて来たので、もう少々お待ちくださいね。
          そして、良かったらkajirinさんの最新ポートランド情報も、ぜひ聞かせてください!

  7. kajirin
    05/21/2018 at 23:44

    こんにちはー 百木さん。
    久しぶりのポートランド、、、建築ラッシュ的な光景、しかもビルが全く風景に合ってないのを見ると
    自分の故郷でもないのにちょっと悲しくなりました。でも泊まった辺り(Shellwood)はなんかまだ懐かしい良い感じのポートランドが残ってる気がしました。でもAirbnbの家主も(多分20代だと思うんですが)今のポートランドの変化を悲しんでました。おしゃれ風なビルがいっぱい建ってきたけど全然イケてないと、、、私も同意見です。 でも住宅街のお花いっぱいの感じ、カフェ等はやっぱりポートランドいいな〜と思った一コマです。またこれたら来年あたりゆっくりポートランドに行きたいな〜。やっぱり橋の感じも好きだし、、嫌いになれない。笑 ということで、本、帰国したらチェックしますね!

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