365 Portland

ポートランドの紅葉 =その1=

3colorstree緑色がかった、黄色の、ポートランドの紅葉。
Greenish, yellowish, reddish fall foliage in Portland.

からりとした長い夏が終わり、遂に秋へ。9月末から10月初旬にかけて、ポートランドはいよいよ季節が移っていく。それはつまり、雨期の始まりも意味している。月間天気予報に並ぶ連日の雨マークを眺めながらポートランダーは「あーあ、始まっちゃったよ」と思う反面、ちょっぴりホッとする。夏の終わりには自然も少し褪せて生彩を欠いた感じになるから、潤いが欲しいと思うらしい(私はというと、夏の終わりは毎年とても悲しい)。そして雨が降り始めると、木々は急速に色付いていく。 トップ写真は、秋らしい雲の下、SEのクリントン・ネイバーフッドの住宅街。

ここ、医療機関の敷地らしいけど自由に散策できる。ノース・ポートランドで。

ここ、医療機関の敷地らしいけど自由に散策できる。ノース・ポートランドで。

タイトルの「緑色がかった、黄色の、紅葉」ってなんだかおかしな表現だけど、初秋の頃はまさにそんな感じで、まず緑色の木々が薄い黄色に変わり始める。この時期の透明感のあるネープルス・イエローが、私はとてもいいと思う。そして秋が深まるに連れ、色の深みが増して深紅の紅葉に推移していくのだ。

ダウンタウン、ポートランド州立大学キャンパスのファーマーズ・マーケット。秋はキノコや根菜類が豊富。

ダウンタウン、ポートランド州立大学キャンパスのファーマーズ・マーケット。秋はキノコや根菜類が豊富。

ポートランドの街はそれは多彩な樹木に彩られていて木々の種類は驚くほど多く、そのため紅葉の仕方もさまざまだ。オレゴンの豊かな自然が背景にあるにしても、ポートランドが緑の多い街であるのは、やっぱり緑を護るさまざまな努力をしているからだと思う。以前にもどこかに書いたけど、たとえ自分の庭の木であっても勝手に切り倒すことは許されていない。木は環境の一部であるから、つまりみんなのものなのだ。

それに、そもそもポートランダーは木が大好き。自然に育まれてきたという意識がやっぱりすごく強いのだと思う。落葉の掃除が面倒だからって、すぐに木を切ってしまうどこかの都市とは大違い(いや、渋◯区だけかもしれませんが)。日本の楓でも桜でも、今や日本のそこらの街よりポートランドの方が断然多く見られるのだから驚いてしまう。

メープルの街路樹。NW 25 Stの舗道。

メープルの街路樹。NW 25 Stの舗道。

ところで、葉っぱの黄色の色素というのは実はカロテノイド、緑はクロロフィルだそう。もともと葉っぱにはこの両方が含まれているのだとか。ただ緑の色素の方が強いので、春から夏、黄色は単に目立たないだけらしい。だから、それが気温が低くなるに連れ、寒さに弱いクロロフィルは分解されて消えていき、段々カロテ ノイドの出番となるのだとか。つまり、早く寒くなる年は葉っぱが早く黄色に変わるということだ。

SEのローレルハースト公園。ちょうどカロテノイドが台頭して来た!?

SEのローレルハースト公園。ちょうどカロテノイドが台頭して来たところ!?

ちなみに紅葉の赤い色は例のアントシアニンによるもの。こちらは黄色くなる原理とは異なり、赤くなるのは葉っぱの糖分と日光による化学変化らしい・・・と、何だかこども科学番組みたいになって恐れ入ります。
とにかく、今年のポートランドは秋が早めらしいから、どんどん黄葉が進むのかも知れない(黄葉という言葉、今回初めて知りました)。

緑から黄、赤へのグラデーション。クロロフィルとカロテノイドとアントシアニンが、絶妙なバランスで同居している(?)。SE Sunnysideネイバーフッドの住宅街で。

緑から黄、赤へのグラデーション。クロロフィルと、カロテノイドと、アントシアニンが絶妙なバランスで同居している(?)。SE Sunnysideネイバーフッドの住宅街で。

この機会にポートランドの街路樹と、その数を調べてみた。こちらは落葉する広葉樹の上位8番目まで。常緑樹や針葉樹を入れたらもっとずっと多いと思う。

1. メープル(楓):57,000本
2. チェリー、プラム、リンゴ:計32,000本
3. 梨:12,000本
4. アッシュ(トネリコ:9,200本 *木犀科。バット等の材料にも。
5. ハナミズキ:8,700本
6. オーク(楢):7,050本
7. 樺:6,300本
8. 菩提樹:5,500本
*出典:OregonLive 10/31/2016の記事より

やっぱりメープル種は数が多い。リンゴや梨は花もきれいで庭木としても人気はあるのだけど、果実のなる木が街にあるのはすごく楽しい。それにしても結構な本数だと思う。ポートランドは小さな街なのにね。

ープルって100種類くらいあるらしい。これは日本のイロハモミジ(だっけか)に近い形で、赤くならないタイプ。

メープルって100種類くらいあるらしい。これは日本のイロハモミジ(だっけか)に近い形で、 赤くならないタイプ。

紅葉の季節、ポートランドの街はほんとうに美しい。秋にお休みが取れる人、雨がそんなに苦にならない人、ぜひ秋に訪れてみてほしい。というか、多少雨に降られても十分にその価値はあると思う。
毎年のように言ってるかもだけど、きょうのポストはただそれだけを言いたくて書きました。
そぼ降る雨のミスティックな夕暮れ時、ポートランドの街と樹木のにじむ景色はほんと心に沁み入るようですよ。

かなりの樹齢と思しきエルム(楡)のゴールデン・トンネル。黒い幹と深い黄葉とのコントラストが美しい。エルムの黄葉は12月初旬頃まで楽しめる。SE Kernsのネイバーフッドで。

かなりの樹齢と思しきエルム(楡)のゴールデン・トンネル。黒い幹と深い黄葉とのコントラストが美しい。エルムの黄葉は12月初旬頃まで楽しめる。SE Kernsのネイバーフッドで。

緑と燃える赤が同居している。トップの写真と同じ木かな? これ何の木だっけか。NW 23rd Stのブティックが並ぶ周辺。

緑と燃える赤が同居してる。トップの写真と同じ背の高い木、これコットンウッド(ポプラの一種)だっけか。NW 23rd Stのブティックが並ぶ周辺はこの並木道。

最後はぼんやりと雨ににじむガラス越しの小さな一枚を。去年の10月、緊急入院したポートランドの病院の窓からの景色です。

From hospital window

突然の人生展開におののきながらも、ただ、ただポートランドにいたいなーと願っていました・・

 

2 comments for “ポートランドの紅葉 =その1=

  1. conomi
    10/20/2017 at 09:43

    百木さん、こんにちは

    東京は連日雨です。
    秋雨前線です。
    一雨ごとに、ものすごく寒くなっています(笑)
    「60年振りの寒さ」と言われても、なかなかピンと来ませんが、10月にフリース着ている自身をみると、やっぱり凄く寒いと言えます。

    ポートランドの果樹多いですね!
    わたしは都内の果樹を見つけて、食べるのが好きなので、ポートランドのラインナップに憧れます。

    あと、街路樹なんですが、木と木の間が狭すぎると思っています。だから、大変な事になってしまい、バシバシ切ってしまうことになるんじゃないかと・・・素人の見立てですが。
    わたしは毎夏甲州街道のケヤキに助けて貰っています。あの並木のおかげでクルマは緑のトンネルを走ることが出来ます。
    美しい風景ですよ。

    • 百木
      百木
      10/21/2017 at 17:48

      conomiさん、何だかどこもかしこも異常気象ですね。前は10月って、まだ残暑みたいな時もありましたが(それはそれで異常だったかも)。

      ところで、果樹っていいですよね。季節の豊かさを感じるし、何と言っても見た目可愛いし(笑)。ポートランドではそれが街のあちこちにあるのがうれしいです。ボタボタと落ちて崩れてるなんて日本の人は嫌がるかもだけど、虫がリンゴが食べてたり、リスが栗拾ってたり、タヌキが柿をもいでるなんていいなと思います。

      甲州街道の槻並木はよく知ってます。大學時代は度々走っていました。欅って英語名を聞いたことがありませんが、ポートランドにあったかなー?

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