365 Portland

ポートランドに泊まる 【その1】

Tinyhouse1

バックヤードの小さな家、そしてタイニーハウス・ホテル。

ポートランドでは小さな家にもバックヤードがある。住宅を建てる場合、アウトドア・エリアの最低面積を約23平米(約7坪)確保することが決まっているからだ。これは家の周りの隙間の合計ではなく、一辺4m程度の四角形がすっぽり入らなくてはいけないのだそう。つまり家の大きさに関わらず、14帖以上の庭がある感じ。

だから庭ではBBQやパーティばかりでなく、実益を兼ねて野菜畑を作ったり鶏を飼ったりする人も多い。大きな家は全然いいと思わないけど、バックヤードでビールを飲めるのはとっても羨ましい。

Backyard

レイドバックな雰囲気のNEにあるバックヤード。ファイヤーピット(焚火のできる炉)や石釜を設えている所もよく見かける。バックヤードとは普通に庭のこと。アメリカの家は前庭(フロントヤード)があるので、区別するためにそう呼ぶのだと思う。

ところで、アメリカの住宅設備の一つにADU(アクセサリー・ドウェリング・ユニット:Accessory Dwelling Unit)というカテゴリがある。バックヤードに造られる母屋に紐づいた「離れ」のようなものだ。州や市によってADUの大きさや使い方等の認可の詳細は異なっているのだが、ポートランドはADUのルールがとても鷹揚だとか。

それで目下ブームなのがADUをAir B&Bにするというもの。今や大注目都市となったポートランドはホテル数が足りず、宿泊料は上がる一方。折しものAir B&Bブームに乗っかり、規制の緩やかなADUで副収入を考える人が急増するのもなるほどだ。

ちなみに物置をアトリエや子供部屋に改装するのは昔からあって、そうした家族用ADUを「Granny Pod」(お婆ちゃん用の離れ)と呼んだりする。そんなBefore & Afterを見ていただくと・・・

ADU

Before:物置時代。物置といっても見た目もサイズも小さめの2階家くらいある。

ADU2

After:お姑さん用に改装したADU。見た目はあんまり変わってない感じ。物置時代のウッド・サイディングの方が味わいがあったかも。中庭のポーチを経由して母屋とつながっている。

その一方で、ここ2、3年、ポートランドではいわゆる「タイニーハウス」がブームとなっている。タイニーハウスについては私もMONOマガジンやいくつかのWebサイトに記事を書いてきたけれど、単に小さな家のことではなく、トレイラー型のユニット(居住できる設備付きで、キャンピングカーのように他の車で引っ張って移動できる)のことを指している。

タイニーハウスそのものに車輪が付いているものと地面に据え置く式があって、どちらにしても他所で作って車で運ぶ小さなハウスユニットを一般に「タイニーハウス」と呼んでいるのだ。

Caravan Tinyhouse Hotel

トップ写真と同じNEのCaravan-The Tiny House Hotelの「カンガブルー」棟。車輪の付いた典型的なトレイラー型のタイニーハウス。※この写真は©CaravanTinyhouseHotel

タイニーハウスによる宿泊施設をポートランドで最初に始めたのはNEのアルバータ通りにある「Caravan-The Tiny House Hotel (キャラバン・タイニーハウス・ホテル)」。
キャラバンは元駐車場だったスペースに完成品のタイニーハウス3棟を買い取って始めた簡易なホテルで、オーナーのデーブとコルのカップルは自らも手づくりのトレイラーハウスに住んでいる。
そしてCaravanを運営する一方でタイニーハウスのワークショップやレクチャーをするなど、ポートランドのタイニーハウス・カルチャーを牽引してきた。

スタートアップ時に設備投資が必要なかったことで、ハードルが低かったと想像できる。なんとなくポートランドらしいエピソードではないだろうか。その後程なく6ユニットに増やし、今や数ヶ月先まで予約は満杯という。

Caravan Tinyhouse Hotel

Caravan-The Tiny House Hotelの「カブース」棟。赤い外観がかわいい。

CaravanTinyhouseHotel

こちらは「タンデム」棟の内部。キッチンは意外に広々している。奥の左手がトイレ、右のカーテンの後ろがシャワー。©CaravanTinyhouseHotel

最近、SEの28 Ave.にも同じタイプのタイニーホテル・ビレッジが新しくできて話題になっているし、自宅のADUでタイニーハウス型のB&Bを始める人もいる(ただ、トレイラーハウスではADUと認められないそう。厳密には違法で、認可は微妙と聞いた)。
もともとタイニーハウスのコンセプトはビッグ・アメリカへのアンチテーゼだった訳だけど、タイニーハウス型ホテルもその小ささを逆手に取って魅力に変え、アメリカのだだっ広くて大味なホテルと差別化している。

タイニーハウスの「小さく、シンプルに暮らす」という考えはポートランドとすごく親和性があると思う。ただ、ホテルは今のところメルヘン的なテーマでまとめているところと、ログキャビン的なイメージが主流。個人的にはポートランドならではの、タイニーなことがかっこよく感じられるホテルが増えるといいなと思う。

Caravan Tinyhouse Hotel

Caravan-The Tiny House Hotelの炉を囲むパティオ。ここで7、8月は毎週水曜夜にBBQやライブ・ミュージックのイベントCARAVAN CAMPFIRE (Caravan Summer Concert Series)を行っている。

Caravan-The Tiny House Hotel 5009 NE 11th Ave, Portland, OR

1 comment for “ポートランドに泊まる 【その1】

  1. Ria
    06/27/2017 at 09:16

    お元気ですか!!
    タイニーハウスのドキュメンタリーをnetflixかなんかで観て面白いなと思っていたところです。もしかしたら8月くらいにポートランドに行けるかもしれない?と作戦を立てています。またメールくださいねー✉️

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