365 Portland

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ポートランドの高級化。

TannerSprings3

ポートランドの再開発成功事例と言われるパール地区。マンション群とタナースプリングス公園

全米一の「高級化都市になってしまったポートランド。これからどこへ行くのだろう。

ポートランドが人気都市となって起こる問題。その最たるものが「ジェントリフィケーション」だ。これは文字通りには、パッとしないエリアを再開発して「良く」すること。それはつまり高級化する訳だけど、その結果として、これまでの住人が追い出されることまでを意味している(当然,大幅な家賃の値上げとなって所得が見合わない)。そして、何とここポートランドはジェントリフィケーション都市として輝く全米1位となってしまったのだ。

移住者、毎週約300人以上。

「全米一住みたい街」との評判もあり、ポートランドには数年前からたくさんの人が移住し始めた。その数、毎週約300人、多い時は500人とも言われる。他の物価の高い都市の住人がどっとポートランドに流入しているのだ。特にサンフランシスコ・エリアからの「移民」は際立って多い。

ポートランドとサンフランシスコの距離は1,000キロ。高速道路1本でクルマなら約10時間という距離。アメリカの感覚だと決して遠い街ではない。けれど物価は大違い。トータルな生活費は2倍以上! といっても明らかに違うのは住宅価格だ。「ベストプレイス」というサイトの数値データを一部抜き書きさせて頂くと、下記の通り(P=ポートランド、S=サンフランシスコ:金額ではなく比較データ上の数値。詳細に興味があればBest Place)。

- 食べ物  P = 99.2    S = 116.4

- 交通機関 P = 114.2  S = 110.3

- 諸雑費  P = 105.8  S = 120.3

- 住宅関連 P = 166.5  S = 514.5(←ミスタイプじゃありませんよ!)

これにヘキエキするサンフランシスコの人々が、最初に思いつく移住先がポートランドってことだろう。60〜70年代にヒッピー達が北上してポートランドに定住した流れもあり、2つの都市は似たカルチャーもあるからだ。

ジェントリフィケーション、そして新規移住者の増加は、ポートランドにさまざまな影響を及ぼしている。おカネが流れ込み、マンションが次々に建設され、有名企業が続々とオフィスを開き、これまでより裕福な人々が街を席巻するようになる。すると何が起こるのだろう。

「高級化」がポートランドを変えていく。

ポートランドという街はコンパクトなローカルシティだったから独特の魅力が生まれた。大資本と無関係なクラフトビール醸造所、小さなハンドクラフトのブランドやコミュニティのファームなど、小さな街の中で仲間が助け合いながら自分達のやりたいことを追求することで、ポートランドの今のカルチャーが出来上がったのだ。つまりポートランドは「人々」が創り出してきた街で、決してコマーシャリズムや企業、行政の先導で盛り上がった訳ではない。そこにポートランダーの「プライド」があったと思う。そういうポートランド的人々がどんどん駆逐されていけば、カルチャーは根底から崩れてしまうだろう。

これは人気都市の宿命ということだろうか。未来がどうなっていくか、私にはよく分らない。でも、街を歩いていて少しずつポートランドらしさが消えつつあるのを感じて寂しくなる。今時のクールなショップが次々にオープンする一方でローカルの小さな商売は廃業に追い込まれ、当然、レストランは高くなった。屋台飯が1,000円近くするのも普通だ。

そして、クルマは一時停止しなくなった。道を渡ろうとしたら、通行するクルマは一斉に停車するのがポートランドだった。道交法で決められている以上に、それもこの街のプライドだったはず。つい2、3年前まで徹底していたのに、今は足を踏み出しても一台も停まらないことすらあって、とても哀しい。

その波が寄せて来た。ウチにも・・・

久々の更新なのに何ともネガな話で恐縮だが、それには訳がある。実はウチにも遂に来ちゃったのだ。何と28%もの家賃値上げのお知らせ! ボロアパートなので家賃は安めではあった。それでもいきなり、それはないでしょう。どこかに越すと言っても、安かったエリアも軒並み便乗値上げで、もう市内に頃合いのアパートなんてありえない。少し外に出ればクルマが必要になる。

どうしよう、どうしようと悩んで10日前から胃炎になってしまって、それもあって更新できませんでした。文字だらけですが、そんな訳で、すみません・・・。

Wave of Gentrifications in Portland, Ore